サンワン・リバー釣行紀

narukawa119

2005年10月08日 15:14

The Star of New Mexico(ニューメキシコの星)。

佐藤成史氏が、その著書「ロッキーの川、そして鱒たち」(つり人社)でサン・ワン・リバー(San Juan River)のことをこう評して釣行紀を掲載しています。

この本は、初めてフライを教えてくれた師匠から頂戴し、何度も何度も読み返しました。特に繰り返し読んだのが、イエローストーンと、このサン・ワン・リバーでした。

2000年3月、とうとう夢のサンワン・リバー目指して、職場の同僚と2名でアルバカーキー空港へ。そこからはレンタカーに乗り換え約5時間で佐藤氏も泊まった「エイブス・モーテル」へ夕方になって到着。
佐藤氏がサンワン・リバーを訪れた91年には、彼の著書には「サンワン・リバーの釣り場の近くには、レストランが1軒、モテルも1軒しかない」(その1軒がエイブス・モーテル)と書いてありますが、この2000年には、周りにいくつものモーテルがありびっくりしました。

まずは併設のフライショップで情報収集。親切に教えてくれるのは現オーナーである息子のティム。
「セイジ・サトウを知ってるか?日本人客もいっぱい来るぞ。後でセイジとオレが映ったビデオを見せてやる」とどこまでも親切なオーナー。実際に2日後の朝にはショップ隣のレストランで朝食を取っているとティムがやってきて我々を横のスポーツバーに連れていき見せてくれました。

翌日からようやく釣りがスタートし、午前中は同僚と流れの緩いナバホ・ダム直下を攻めるが一向に反応なし。昨夕にティムに教わったシステムはかなりフライから離れた位置に巨大なインジケーターをつけるという不慣れなシステムのため、川底の苔に引っかかったのを何度も魚と勘違いする始末。

午後は生まれて初めてのプロのガイド付き。ガイドはT.J.という若き好青年(25歳くらいか)。T.J.は我々を流れの速く深い本流に連れていき、システムをシングルからダブル・ニンフ・システムに変更。彼がデモンストレーションで見せるキャストをお手本に、彼の導くポイントにキャストしてみると、あのでっかいインジケーターがまさに「ゴボッ」と水中に吸い込まれた!!!
事前にT.J.から「ヒットしたら絶対に強くフッキングするな。フッキング後はロッドは(立てるより)寝かせてフライとの角度を90度に保て」と言われていた通り、慌てずソフトなフッキングで見事ヒット!「とりあえずテンションをキープして、トラウトに走られたら抵抗せずラインをリールから出せ!走らなかったら少しずつ引き寄せるんだ」とのアドバイス。幸い「突進」はなくランディング。

 フーーー!

何と獲物は18インチ(45センチ)ものピンシャン・レインボー。こんなん日本じゃ絶対に見れんという感じの見事な色合いで美しかった~。すかさず、ガイドにレインボーとともに写真を撮ってもらいました。

しばし放心の後、まだまだ!と再スタート。インジケーター下が10フィート以上もあるシステムと悪戦苦闘しながらもトライを続けると、待ちに待った2つめのヒット!
今度はT.J.もアドバイスをせずニヤニヤ眺めてます。20分ほど格闘した後、やっとのこさトラウトの銀色のおなかが水中で見えた・・・「デカッ!」 60cmくらいはありそうです。T.J.も思わず「Wow! Big!」と叫んでました。
その声に、余計に心臓の鼓動が早まります。「50cmオーバー、50cmオーバー」 夢の50cmオーバーを目指して呪文のようにブツブツ唱え続ける僕。もうちょっと・・・、もうちょっと・・・・細いティペットに気を使いながら少しずつ寄せてくると、そのとき「プチン」 
が~~~! 悔しいーーー!

大物を逃したもの、その後、15インチ(40cm弱)をゲット。ニュー・メキシコの抜けるような青空の中、白日夢の4時間はあっと言う間に過ぎ去っていきました。

このような一生ものの体験は私の心にしっかりと刻み込まれたのですが、肝心のレインボーの写真がカメラの故障でフィルムに何も映っていないという大失敗・・・・

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